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4.カバのちから

幻戯(げんき)書房では2009年に『チリモン博物誌』という本を出しています。
チリモン.jpgこれはチリメンジャコの中に混じっているジャコ以外の生物(モンスター
チリモンを集めたプチ図鑑。
きしわだ自然友の会編纂だけあって、大阪人ならではの解説が面白いと評判です。

東京では「シラス干し」が優勢で、山椒と煮詰めて乾燥したようなふりかけ状のものを特に「じゃこ」と言う気がしますが、シラスに混じってカニとかエビのちっちゃいの、いわばシラモンがいたりすると、(さかなクンでなくとも)ギョギョッと言ってしまった経験は多くの人にあるのではないでしょうか。実は近年、選別の技術が上がって「モン」の混入率は低いのですが、今では「モン」のほうをてんこ盛りにした袋がわざわざ用意されるほど、チリモン採集は小学生の自由研究として大人気です。
当時、文芸出版社にとってこの企画は冒険でした。
しかし創業者の辺見じゅんは、こういうものをとても面白がる人だったのです。
かばの本を提案した時も、大はしゃぎでした。


さて、カバというのは不思議で、例えば「好きな動物は?」「動物園にいる動物と言えば?」
と訊かれても上位には登場しません。よくて7〜10番目くらいでしょうか。
パンダやゾウやキリンのように際立ったところがないぶん、存在感も薄いのですね。

ただ、大人気なものというのは、アンチを生む宿命にあります。
パンダに浮かれる世を白眼視するあまり石原都知事のパンダ発言にだけ反応しちゃうとか、ディズニーやジブリやアンパンマンの在り方の中に資本主義の悪臭を(自分もその中で生きてるのにもかかわらず)かいでしまったり、スカイツリーに対しては言うのも憚られる感情を抱いてしまったり。
カバは、そんなひねくれ者たちの反感を買うこともありません。

だからなのでしょうか、不思議と言ったのは、
「かば」という言葉を発した途端、相手を思わず笑顔にさせる何かが、カバにはあるのです。

ためしに目をつぶって心の中で「ゾウ、ゾウ、ゾウ…」と、象を思い浮かべてください。
次に「カバ、カバ……」と言いながら、カバを思い浮かべてください。
ほら、ゾウの時には動かない脳のどこかが反応して、なんだか口角がゆるみませんか?

さらに分かりやすい実験です。
時計の針が1秒を刻む音をBGMに、ゾウを思い浮かべてください。
長い鼻や大きな耳のゆっくりひるがえるさまに合わせて、秒針が間延びするでしょう。
ゆったりした気分になり、2秒で1秒とカウントしたくなります。

次に秒針とカバです。
……なんと! ゾウどころの話ではありません。
秒数を数えるのが無駄に思えて、時計の音も溶けてなくなってしまうのに気づくはずです。

パリ土産のピルケース.jpg
あなたがどんなに猫好きで、猫を思い描いて多幸感に包まれたとしても、
時間に関していうなら、カバほどには時間をなくすことはできません。

みんながカバと聞いて顔をほころばせる秘密の一つがここにありました。
この神経の弛緩作用を最ももたらすのが、カバなのです。(A子調べ)


パリ土産のピルケース Villeroy & Boch 
(このこども向けの意匠、抜けた乳歯を入れるものかも)









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